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第九章 情報化の課題

9.1 法制度
□知的財産権の保護
◇ソフトウェアの権利保護
・ソフトウェアの性質
(1)膨大な開発コスト
ソフトウェア開発には、膨大な開発コストがかかる。
(2)財産的価値がきわめて高い
仕事の効率化や新サービスをつくり出すなど、利益をもたらす財産である。
(3)不正使用が簡単にできる
ソフトウェア・特にプログラムは、簡単に、不正使用と無断コピーができてしまう。
◇知的保護の必要性
ソフトウェアは、上記のような性質をもっているので、これを防ぐための法的保護が必要である。
ソフトウェアを法的に保護する権利としては、「著作権」「特許権」などがある。
この「著作権」や「特許権」など、知的創造活動を保護する権利(図9−1)を知的財産権という。

知的財産権 工業所有権 特許権
実用新案権
不正競争防止法
(トレードシークレット)
商標権 他
著作権 著作者人格権
著作者財産権

◇著作権法
・著作権とは
発明や考案、著作物といった無体物に関する権利の保護についての法的ルールを定めた無体財産法の1つ。
財産的権利だけでなく、人格的な利益のための人格権も保護している。
・著作権法で保護されるもの
著作権法で保護されるものは、「プログラムの著作物」すなわちソースプログラム、オブジェクトプログラム、マニュアルなどである。
また、データベースも著作物として保護される。
・著作権法で保護されないもの
プログラム言語(COBOL、C、FORTRANなど)、規約(プロトコル、インタフェースなど)、解法(アルゴリズム)は、保護の対象外である。
・著作権の効力の発生
プログラムの著作権は、著作物が生じたときに効力を発する。
プログラムの登録制度があるが、登録しなければ効力を発生しないというものではない。
・著作権の保護期間
著作権の保護期間は、著作者の死後50年または降雹後50年である。
・著作権は誰のものか
会社(=法人)の指示により、その社員が職務上作成したプログラムの著作権は、契約、勤務規則等に別段の定めがないときには、その会社に帰属する。
・どのようなときに著作権法違反になるか
以下、特別な契約条件がない場合とする。
例1)会社で購入した1セットのソフトウェアを、複数のパソコンで同時に使用する←通常は、1台のパソコンでの利用しか認められない。
例2)派遣先で委託されて作成したアプリケーションを、派遣期間終了後も派遣先の承諾なく自社で使用する←著作権は、派遣先にある。
・どのようなときに著作権法違反にならないか
以下、特別な契約条件がない場合とする。
例1)バックアップコピーを作る←バックアップコピーは、合法である。
例2)古いパソコンから新しいパソコンに変えたときに、古いパソコンで使用していた正規購入のソフトウェアを新しいパソコンでも使用する。
このさい、古いパソコンからは、ソフトウェアを削除している←ハードウェアを変えても平気である。
例3)購入して使っていたソフトウェアが海賊板であったが、購入時には知らなかった←海賊板と知らずに購入した者は著作権法違反にならない。
著作権法違反になるのは、海賊板を製造・販売したものである。
◇特許法
保護の対象は、「アイデア」であり、プログラム自体は、特許法の保護対象外である。
保護対象は、より抽象的なアイデアである。
ソフトウェアを特許法でどう扱うのかについては確定的見解がないのが現状である(図9−2)。
◇不正競争防止法(トレードシークレット)
他人の営業上の秘密(たとえば、プログラムリスト)を不正に手に入れて、使用する行為を禁止している。

著作権 特許権
法の主旨 著作権法:文化の発展に寄与する 特許法:産業の発展に寄与する
権利の内容 狭義の著作権:財産権の1つ
複製物を販売するなどして、経済的な利益を得る権利
著作者の人格権:名誉権の1つ
プログラムを発表したり、著作者名を表示するなどの権利
発明の実施を占有する権利:
発明したものを独占的に生産したり、使用、譲渡、貸渡、展示したりできる権利
保護の対象 創造性ある表現
(プログラム言語、規約、解法は保護しない)
アイデア
(自然法則を利用していて、新規性、進歩性をもち、産業上有用なもの)
権利の発生 著作物をつくったときに自動的に発生する 特許庁に出願し、審査を通過し、登録されたときに発生する
保護の期間 著作者の死後50年または公表後50年。
創作後50年以内に公表しなければならない。
出願公告から15年
(出願から20年以内)
権利の侵害 「知らなかった」で済む
(他人の著作物の模倣、盗用でなければ同じものをつくっても権利の侵害にはならない)
「知らなかった」では済まない
(独自に発明したものであっても、先に権利を取得した人がいれば権利の侵害になる)


□電気通信事業者に対する法制
◇電気通信事業法
・電気通信事業法とは
昭和60年4月に、電気通信制度の改革が行われた。
これによって、旧電電公社と国際電電の独占下にあった各種電気通信事業への新規参入が可能になり、いわゆる「通信の自由化」の道を歩み始めた。
昭和60年4月以降に参入した電気通信事業者のことを「新規参入事業者(NCC:New Common Carrier)」という。
・「通信の自由化」
回線提供の自由化、回線再販事業の自由化、端末の自由化の3つの意味をもつ。
回線提供事業の自由化にあたるものが「第一種電気通信事業」であり、回線再販事業の自由化にあたるものが「第二種電気通信事業」である。
・「第一種電気通信事業者」
電気通信回線設備を自ら設置し、電気通信サービスを提供する。
郵政大臣の認可を必要とする。
・「第二種電気通信事業者」
第一種電気通信事業者から電気通信回線設備を借り受け、付加価値の高い通信サービスを提供する。
第二種電気通信事業者は、事業の規模と形態によって次の2つに分かれる。
特別第二種電気通信事業者:
大規模なネットワークを運用するか、海外とのネットワークサービスを提供する事業者。
郵政大臣への登録制。
一般第二種電気通信事業者:
小規模または特定者向けのサービスを行う事業者。
特別第二種電気通信事業者以外の第二種電気通信事業者。
郵政大臣への届け出をすればよい。

□労働者派遣事業法
◇労働者派遣事業法
労働者派遣事業法は、正式名称を「労働者派遣事業の適正な運営の確保および派遣労働者の就業条件の整備等に関する法律」という。
・請負
派遣元事業主が雇用する労働者を自ら指揮命令して、派遣先の業務を遂行し、完成させるもの。
・労働者派遣
自己の雇用する労働者を、当該雇用関係のもとに、かつ、他人の指揮を受けて、当該他人のために労働に従事させる。
・労働者供給
供給契約に基づいて、労働者を他人の指揮命令を受けて労働に従事させることをいい、労働者派遣に該当するものをふくまないものとする。
・出向
労働者が出向元事業の従業員としての地位を失い、出向先事業の従業員の地位を取得する。

9.2 標準化
□情報処理と標準化
◇情報処理と標準化
ISO(国際標準化機構)のOSI(開放型システム間相互接続)に代表されるように、情報処理の分野においてさまざまな標準化が要請されているため、規格としての標準化が進められている。
標準化の背景としては、次のことがあげられる。
・分散処理の拡大
・ISDN、光ファイバ通信などの新通信技術の拡大など
・コンピュータネットワークの規模の拡大など
このような背景のもとで、人と機械または人間相互間に関する規格、およびコンピュータシステム相互間に関する規格が要請されている。
範囲の規模によって、国際規格、国家規格、業界規格などに分類することができる。
情報処理に関する標準化において、これらの規格の相互間に矛盾がなく、相換性があり、また組織だった制定がなされていることが必要である。
◇標準化組織
情報処理に関する規格は、国際的あるいは国家的な規模である必要がある。
国際規格の標準化活動は、ISO/IEC JTC1(Joint Technical Committee 1)で行われている。
日本の国家規格のための組織としては、JISCがある。
・ISO(International Organization for Standardization:国際標準化機構)
目的・・・
知識・科学・技術・経済の分野における世界的な規格の開発と制定。
メンバ・・・
各国の標準化事業を代表する機関で、1カ国について1機関のみが加入できる。
日本は、JISC(日本工業標準調査会)が加入している。
規格・・・
ISOによって制定された規格は、ISO国際規格とよばれ、制定順に番号で表される。
ISOの規格例)ISO/ITU−Tコード
・ITU(the International Telecommunication Union:国際電気通信連合)
目的・・・
電気通信に関する国際標準化は、主として、ITUで行われている。
ITU−T・・・
ITU−T(旧CCITT)は、ITUの中に設置されている諮問委員会の1つである。
国際間の電信電話に関する標準化を担当している。
情報処理に関連する部分としては、データ伝送や公衆回線網に関しての標準化を行っている。
データ通信用のモデムなどに関するVシリーズ勧告や、DDXの回線交換やパケット交換方式に関する基本規格であるXシリーズ勧告などがある。
日本からの参加・・・
日本では、郵政省、NTT、KDDなどが研究活動に参加している。
・JIS(Japanese Industrial Standards:日本工業規格)
日本における国家規格審議機関は、JISC(日本工業標準調査会)である。
JISCは、工業標準化法に基づいて設立され、ISOとIECに加盟している。
JISと国際規格との関係・・・
JISCの議決を経て、主務大臣によって制定された規格がJISになる。
JISの制定においては、原則としてISOの国際規格あるいは規格原案を基本とし、日本における状況を加味して制定する。
したがって、JISの大部分のものは、そのまま国際規格としても通用する。

9.3 コンピュータセキュリティ
◇セキュリティの方法
・ユーザID
コンピュータシステムの利用者に、使用資格のチェックや利用状況の把握などを行うために付与される。
・パスワード
正式に登録された利用者であることをシステムに知らせる文字列のこと。
ユーザIDとともに入力することが多い。
・コールバック
公衆回線網を用いた特定多数の利用者を対象とするシステムで、一度回線接続を切ったあと、呼ばれた側が呼び直す(コールバックする)ことにより、正規利用者であることを確認をする手段。
◇パスワードの使用についての考慮点
・他人に推測されにくいパスワードを使用する。
大文字、小文字、数字、特殊文字などを織り交ぜる
・定期的にパスワードを変更する
・同じパスワードを繰り返し使わない


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